お金に困らないための〜税金の相続対策
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文書作成日:2026/03/05
確実に私名義にする方法は?

私の自宅は父名義の土地の上に建っており、この土地を確実に私名義にしたいのですが、何かよい方法はありますか?

Q
今月のご相談

 父が高齢で近頃は入退院を繰り返しており、相続が現実味を帯びてきました。
 父が亡くなった場合の相続人は、私と姉の2人ですが、姉とは10年以上連絡が取れておらず、父とも連絡を取っていないようです。
 そのような中、私の住まいは父名義の土地の上に建っているため、将来この土地を確実に相続できるのか心配です。
 私の自宅の土地は確実に私名義にしたいのですが、金銭面も含めて何かよい方法はありますか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 土地を確実にご相談者様の名義にしたい場合、金銭面で一番お得な方法は「遺言書による相続指定」です。ただし、遺言書はお父様が書くためご相談者様にとって不確かなものであることや、お父様が亡くなるまで名義が変更できないなど、心理面での負担が重くのしかかります。他方、生前贈与は金銭面でのデメリットはありますが、お父様が存命のうちに名義が変更できる点が最大のメリットです。

A-2
詳細解説
1.遺言書による相続指定

 土地を確実に相談者様の名義にするには、一般的には、お父様に「その土地をあなたに相続させる」という内容の遺言書を残していただくということが考えられます。法的に効力のある遺言書であれば、お姉様の実印、印鑑証明書などの準備をお願いすることなく、名義変更の手続きが可能です。

 しかし、遺言書はお父様の意志で作成するものであり、何度も書き直すことができます。また、相続時まで所有権は移転しません。そのため「本当にもらえるのか“精神面”での不安が続く」という意見も多くお聞きします。

 また、お父様の財産の保有状況によっては、遺留分の問題も発生する可能性があります。遺留分を侵害されたとなった場合には、遺留分侵害額請求として金銭が要求される可能性も考えられます。

2.生前贈与

 生前にお父様から贈与を受けて所有権を移転する、という方法もありますが、「生前に土地の贈与を受ければ、莫大な税金が発生するのではないか」と、こちらは“金銭面”での不安をお聞きします。

 この場合、「相続時精算課税制度」を上手く活用すると、贈与税の納付という観点ではかなり抑えることができます。

 お父様がお元気な間に贈与を受けることにより、お姉様に印鑑等をお願いする必要もありませんし、また、相続を待たず確実にご自身の名義にすることにより不安を取り除くことができます。

 ただし、相続による移転であれば非課税となる不動産取得税が課される、名義変更時の登録免許税の税率が相続を原因とした場合よりも高い、贈与の翌年以降は土地の固定資産税の負担が発生するなど、諸費用の負担は重くなります。また、贈与により取得した土地は、相続税の特例である「小規模宅地等の減額特例」の適用を受けることはできない、など注意点もあります。

3.相続時精算課税制度

 相続時精算課税制度とは、贈与を受けたときの贈与税の計算において、贈与者ごとに受贈者自ら選択することで適用することができる制度です。

 制度の特徴としては、主に次のとおりです。

  • 通常の贈与税の計算(暦年課税による計算)とは違い、原則、この制度を選択して贈与を受けた財産の合計額から基礎控除(110万円)を差し引いた金額が累積で2,500万円を超えるまで贈与税は課されず、超えた段階から一律20%の税率で贈与税が課されます。基礎控除は、令和6年分の贈与から適用が開始されています。
  • この制度を適用することができるのは、原則、父母又は祖父母から贈与を受けた子又は孫であり、それぞれに年齢制限があります。
  • この制度を選択した場合には、その後の相続時精算課税に係る贈与者(以下、特定贈与者)からの贈与については、相続時精算課税制度を適用して贈与税の計算をしなければなりません。
  • 特定贈与者が亡くなった場合には、相続時精算課税制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の価額)の合計額を相続財産として、相続等により取得した他の財産と合算して相続税を計算した上で、すでに納めた贈与税額がある場合には、相続税額から控除して相続税額を算出します。その際、控除しきれない贈与税額があるときは、相続税の申告をすることで還付を受けることができます。

 いずれにしても、対象となる財産だけを捉えて最も有利な方法を考えることは困難です。また、どの方法を選ぶ場合でも、お父様のご協力が不可欠です。体調がよいときに、一度ご相談されてはいかがでしょうか。

 不動産の贈与に関してのご相談は、当事務所へお気軽にお問い合わせください。

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